苦い蜂蜜
正体不明
昨日私は25歳の誕生日を迎えた。
看護師になって、忙しくなったことを理由に、友達付き合いを減らしてきた結果、誰にもおめでとうなんて言われなかった。
当たり前だ。かといって別に望んでいることでもない。
中学、高校といじめられっ子だった私は卒業式を終えて、そのまま上京した。
何かがきっと変わるはずだから、そう信じて8年間生きてきた。
それなりに大学生活は充実してた。
周りの子に合わせることで、あんなに難しかった友達作りがいとも簡単にできたのだ。
合コンであった男と付き合ったり別れたり、仮初めの充実であることは百も承知で、私は普通の大学生になってた。
そんな私を私でいさせてくれたのが東京に来て1番始めに買った手帳に書いてた日記なのかもしれない。
チャコールグレーのカバーに白いリボンがついたいたってシンプルな手帳だ。
それを私はお守りのように持っていた。
もちろん誰にもみせたことはない。