苦い蜂蜜
着いてみると、そこは小さな家だった。

「どこですか、ここ。」

ー俺の家。というか俺らの家。3人でシェアハウスしてるの。

「そうなんですか。で、、?」

ー伽耶ちゃんもここに住まない?

この人は唐突に意味不明なことを言う。初対面の人にここまで馴れ馴れしく絡んでくる人を逆に見たことがない。。私の日記を読んだはずなら私にきっと絡もうともしないはずなのに。

「何言ってるんですか?なにしろ、さっきからなんなんですか!友達だっていってもさっき会ったばかりじゃないですか!」

私の腕を掴んでいたまひろの手を無理やり引き離そうとしたのに、全然離してくれなかった。

ー伽耶ちゃん、死にたいんでしょ?だったら俺が伽耶ちゃんを止めてあげる。もうこれから1人にさせないから。

真剣な眼差しで言われた。あ、日記を見たんだ、この人は。誰にも見せたことのない日記。

ー俺らと住まない?嫌なら俺が伽耶ちゃん家に住む。

正体不明のこの男はずけずけと私のプライベートに侵入してきた。こうなったらこっちも面倒になって、シェアハウスに入ることになった。
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