おとぎ



「魔法って、あのキスだよね?
 私、初めてだったんだぁ~。
 いい加減な気持ちだったなら怒るか・・」

「あず。お前が嫌だったなら謝る。
 でも俺が、いい加減な気持ちで
 そんな事すると思うか?」

このパターンってバイクを諦めるか

って話してた時のじゃん。

秀ちゃんが嘘をつく訳がない。

だったら・・・


「どうしてキスをしたの?」


私の質問に、秀ちゃんは少し黙ってから

口を開いた。


「あの絵本、覚えてる?」




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