おとぎ
初めての魔法
そんな秀ちゃんとの出会いは幼稚園。
幼稚園で、私がわんわん泣いている時、
秀ちゃんがペン一本持って私の所にきた。
「何すんのっ!?」
秀ちゃんは私の右手の人差し指に、
ニコちゃんマークを描いた。
「元気が出る魔法。」
「ぷっ。」
「ほーら、元気でた。」
「へたっぴ。」
「いいもん。」
これが、初めての魔法。
すごくすごく嬉しかった。
秀ちゃんの言う“魔法”は、
本当の魔法のように、いつもなぜか
元気が湧いてくるものだった。