おとぎ



おばさんは、私と秀ちゃんを

二人きりにしてくれた。


「秀ちゃん、これ見て?」


呼吸器をつけてる秀ちゃん。

すっごく辛そう・・・


「その・・絵本・・。」

「あの時のだよ。
 どこにも見つからなかったから、
 幼稚園で借りてきちゃった。
 園長さん覚えててくれててね、
 昔みたいに優しくしてくれたんだよ。」

「そっか・・・。よかった。」


笑ってくれたけど、

何か考えた顔をしてすぐに

表情が暗くなった。




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