おとぎ




お父さんからのプレゼントは

ポケットバイクだった。

秀ちゃんは、私達があげたプレゼント

なんかに目もくれず、お父さんから

もらったポケバイを眺めていた。

ただ、すごく嬉しそうに眺めていた。


その瞳はすごく輝いていて、

なんかそこだけ違う世界に感じた。

全然家にいなくても、

やっぱ親子なんだなって、

お父さん好きなんだなって思った。


その後、秀ちゃんは家から車で一時間の

ミニサーキットに行った。

私は連れてってくれなかった。

ちょっと寂しかった。


それから、毎日毎日、

秀ちゃんはそこに通った。





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