おとぎ

出発





次の日。

秀ちゃんの出発の日。

みんなで駅まで見送った。


「あず。」

「ん?」

「俺がいなくて寂しいか?」

「んな訳ないでしょ!」


彼は、そっと私にキスをした。


「・・・・。」

私は、言葉を失う。


「寂しくならない魔法。
 じゃあな!!」


響く電車のベル。

最後を告げられているように聞こえた。


「バカ。」






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