おとぎ

小さなレーサー





五年生になった。

あれから秀ちゃんの付き合いが悪い。

親も仲が良かったことから、

私達も幼稚園の頃から仲が良かった。

毎日のように遊んでいた。

ポケバイをもらってから、それに

熱中しちゃって、遊ぶ機会が減った。


「あず。」

「なぁに?」

「あのさ、今度すっごいもん見せてやる
 からレース見に来いよ。」

「見に行っていいの!?」

「そんなに見たいか?」

「べ、別に。」


秀ちゃんがこんなこと言うなんて

思ってもいなかった。

今まで、見に行かせてくれなかったから。





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