おとぎ





そして当日。

秀ちゃんがいつも行ってるサーキットは

車で一時間と聞いていたのに、

もっと時間がかかってる。

聞いてみると、「いつもと違うよ。」と

言われた。


こんなに広いんだ・・・。

っていうか、なんでこんなにお客さんが

いるんだろう?

どの選手が秀ちゃんだかわからない。

その時、放送で選手の名前が紹介された。

「あれ?あれ秀ちゃんだよね?
 なんであんな後ろにいるの?」

私は秀ちゃんのお母さんに聞いた。

「ハンデってやつよ。」

「ハンデ?なんで?」

「秀一、ここまでトップできたのよ?
 びっくりだわぁ~。
 決勝に残っただけでも奇跡なのに。」

「え?決勝?何?」








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