おとぎ



帰り、光輝は途中まで送ってくれた。

先に恭子と別れたから、二人になった。


“もしかして、例の好きな人?”


「そっかぁ。確かにかっこいいなぁ。
 俺に勝てるわけねぇな!」

「なんで、そう、すぐ・・わかるの?」

「神の子だから。」

「えっ?調子のんなっつの。」

「ぷ。るせ。」

ちょっと笑って、また沈黙になった。


「俺な、母親が自殺したんだ。」


「え・・・。」

「ちょっ、そんな暗い顔すんなって。」




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