おとぎ

サプライズ





私は高校を卒業して、

大学に入学した。

19歳も終わる今、光輝が買っていた

雑誌を自分で買うようになった。


今月号はたった今買ってきた。

毎月発売日に買っている。


「ちょっと梓!」

帰ってくるなり、テレビを見ていた

お母さんに呼ばれた。


「スポーツ番組に秀ちゃん出てる!」

「えぇ!?」


スクリーンの中には、秀ちゃんがいた。

少し、大人っぽくなった気がする。

もうこれが当たり前のように感じてきて、

ますます秀ちゃんが遠い存在に感じる。






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