おとぎ
「つづいて新井選手はどうでしょうか。」
“新井選手”か。
そうか。選手なんだね。
あの秀ちゃんが・・・
もうそうなんだね。
スクリーンの中で笑顔を見せる秀ちゃん。
その笑顔は、私が一番知ってると思ってた。
でももう、違うんだね。
「梓!どこ見てんのよ。
ここよ、ここ!」
お母さんが指している所を見た。
秀ちゃんの紹介文。
「世界・・選手権?」
「秀ちゃん世界までいったの!?」
うそ!?
私は急いで買ってきた雑誌を開いた。