おとぎ




初めての外国に、私がはしゃいでる

時だった。


「あ、俺もう行かなきゃ。」

「え?」

「ごめんな。ここで待ってれば
 俺の知り合いが迎えに来るから。」

「わかった。」

「明るいヤツだから。すぐ馴れるよ。
 じゃあな。」

「うん。じゃあね。」

秀ちゃんは振り向く。

少しずつ離れていく背中。


そっか。

そうだよね。

忙しいもんね。





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