おとぎ




私も振り向こうとした瞬間。

「あず!」

秀ちゃんが再びこっちを向いた。

「絶対ぇ優勝してやる!
 ちゃんと見てろよ!
 一秒たりとも見逃すんじゃねぇ!!」

「うん!!」

そして秀ちゃんの背中は次第に離れ、

見えなくなった。


たった数秒だけだったけど、

すっごく嬉しかった。



< 71 / 116 >

この作品をシェア

pagetop