おとぎ




「あず!」

「秀ちゃん。」

落ち着いた頃、秀ちゃんが来た。


「どうやら、勝利の女神は
 微笑んでくれたようだね。」

「気紛れなレーサーは魔法に
 かかりやすいんだね。」

「あ、信じるんだ?」

「上手く詐欺られたよ。」

「そ。」

「うん。優勝おめでと。」

「ありがと。
 約束も、若干・・守ってくれたな。」


信じるしかないよね。

秀ちゃんには、いつも笑顔にさせられる。

悲しい時も、怒った時も、

どんな時でも笑顔にしてくれるからね。


私は、その笑顔を見せる事しかできないよ。


約束だって・・・守りきれなかった。

でも、本当に嬉しくて涙が流れるんだ。






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