おとぎ
「なぁ、あず。」
腕を掴まれた。
私は仕方なく振り返った。
「はい。これ、近くに咲いてたんだぁ。
可愛いだろ。とってきちゃった。
来てくれて、ありがとな。」
秀ちゃんが私に差し出してきたのは、
ピンクの可愛い花。
こんなところに咲いてるんだ・・・。
「うん。優勝おめでと。
よく頑張ったね。」
なんかすごく嬉しかったんだ。
思わず、笑みがこぼれた。
「笑顔になる魔法。」
そうやってニカッと笑う秀ちゃん。
「また魔法ー?」
「そろそろ魔法、信じる?」