おとぎ
次の日、病室に行くと、秀ちゃんは
ダンベルを持っていた。
「何やってんの?」
「筋トレ。」
「そんなの見たらわかるよ。」
「俺、前に言ったよな?」
「え?」
「運命とは、絶対に変えられないもの。
受け入れるしかないもの。って。」
「うん。」
「今の俺の現実だって、
受け入れるしかないものなんだな。」
「秀ちゃん・・?」
「もう一度選手で、なんて欲張らない。
車椅子だっていい。
一刻でも早く起き上がれるようになって
バイクに携わっていたい。」
「そっか。」