おとなりさんは後輩くん。
そう言って、彼は手に持ったとスマホをテーブルに置き、ソファーのほうに来る。
「となりいいですか?」
「いいですかって、別に私のソファーじゃないし…」
すると、また彼は少し笑みを浮かべ、そうですねと私の隣に座る。
私には、なんで彼がそんなに笑うのかがよく分からなかった。
「俺の名前は、古賀 湊斗(ミナト)っていいます。おとなりさんっていうのは、陽向さんの住むアパートの部屋の隣に住んでいるから」
「陽向さんがなんで俺の部屋にいるかっていうと、俺、陽向さんの後輩なんです。それで、テニスの新歓に出席して、流れで陽向さんとお酒というかゲームを…それで…陽向さん潰れちゃって…」
「私が潰れた?」
「はい、それで汐莉さんが家に送るってなったんですけど、陽向さんちゃんと歩けなくて、汐莉さんも支えきれなくて。それで、家の場所聞いたら、まさかの俺の部屋の隣だったから、俺が連れて帰ることになったんです。もとはといえば、俺の責任だし…」
話してもらうほど、少しずつ前日の記憶を思い出してきた私。まぁ、その話を聞くたび恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がなかった。
「なるほど…それは申し訳ない…まさか、自分が潰れると思ってなかったから。でも、それと私が湊斗くんの部屋にいるのとなんの関係が?」