愛か恋かきまぐれか。
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「ひかる!
帰るぞ!」
いっちゃんが
いつのまにかわたしの教室のドアに
もたれかかっていた。
あ、もう掃除終わったんだ…!
急いで荷物をまとめる。
「あ、うん!
待って、グロスだけ。」
慌ててポーチを取り出して
少しだけおめかし。
いっちゃんはそんなわたしを見て
ずかずかと教室に入ってきた。
「いい。
そんなんするな。ひかる。」
そう言って、塗ったばかりのグロスを
親指でぬぐった。
「え、せっかく塗ったのに…」
「ひかるのことは俺しか見てないんだから。
塗っても無駄。」
いくぞ、と言われて手を出される。
うぅ…
わたしだってお化粧くらいするのに…