愛か恋かきまぐれか。
そう思ったけど、
わたしはポーチをしまって
いっちゃんの手を取った。
いっちゃんはわたしの手をしっかり握って
そのまま自分のポケットに入れた。
「いっちゃん、暑いよ。」
そう言ったけど
離してくれない。
あぁ、好きだなぁ
こんな強引なところにも
愛を感じてしまう。
いっちゃんの頬に
ちゅ
とキスをして、ニコッと笑ってみせると
真っ赤になって驚くいっちゃん。
その拍子に繋いでいた手を離してしまった。
「な、なにする…!
不意打ち。」
お返し、と言って
わたしにもキスをしてくれたけど
まだ真っ赤になってて
ほんとにかわいい。
わたしは今度は
自分からいっちゃんの手を握る。
いっちゃんはしっかりと握り返してくれた。