愛か恋かきまぐれか。
「いっちゃん、それでね…」
手を握りながら
ぶらぶらと駅までの道を歩く。
たわいもない話ばかりをしながらだけど、
この時間がほんとに幸せ。
「あ、いっちゃん!
明日はわたしがお弁当作る!
だから、間食しちゃだめだよー」
「ひかる、料理上達したわけ?
前みたいなオールまっくろこげは
さすがに…」
そう言って
困ったように笑ういっちゃん。
「大丈夫だよ!
今日、試作してからやるし!
期待しててよ。」
自信満々に宣言したら
いっちゃんは
期待しとく
と言って、わたしの頭をなでた。
私を見る目が本当に優しい。
目が細くなって
少し頬が赤くなるいっちゃん。
たぶん、わたしも同じ顔してる。
恋してる顔。