愛か恋かきまぐれか。
ドアの外からくすくすと
何人かの笑い声がする。
幸い、今日かけられた水は臭くなかった。
よかったぁ……
ただの水道水。
フックにかけていたから
辛うじて難を逃れていたバックから
タオルを取り出して
全身を拭いた。
でも、
さすがに
全身びしょ濡れで電車には乗れない。
うぅ…
学校でジャージに着替えなきゃ…
ある程度拭けてから
外に人がいないことを確認する。
それから
少しすけてしまった下着を隠すように
バックを前に抱えて
わたしは学校へと走った。
夏でよかったぁ…
冬だったら風邪ひいてるよ…
あーよかった
と自分に言い聞かせながら走る。
なんでもない、慣れてる、大丈夫
そう言い聞かせる。
それでも、
溢れ出る涙は抑えきれなかった。