愛か恋かきまぐれか。
咄嗟にわたしは
身を低くして
C組の教室の窓の下の壁に身を隠す。
心臓がバクバクと大きな音を立てている。
「いちやぁ〜〜
んーーーすき。」
あまーい女の子の声が
いっちゃんの名前を呼ぶ。
「さきちゃん
静かにして。」
いっちゃんの声もする。
何度も浮気はされてきたけど
実際に遭遇してしまうのは
初めてだった。
なんで……!
バイトだって……!
いっちゃん…………!!
そう叫びたいのを必死でこらえる。
この場から逃げ出したかったけど、
足ががくがくして動けなかった。
わたしは全身が震えていた。