愛か恋かきまぐれか。
わたしの唇といっちゃんのそれが
離れた時だった。
わたしがそのマークに気づいたのは。
いっちゃんの鎖骨に咲く
赤い花。
……なに……これ。
こういうことに
疎い私でも流石にわかった。
ほかの女の子の"跡"だって。
「いっちゃん、
これなに?」
鎖骨の赤い跡を指さして
声が震えないように努力しながら
いっちゃんに聞いた。
そしたら、
いっちゃんは笑って
「あぁ、これ。
昨日寝た女の子につけられた。
ひかるいるからやめろって言ったんだけどさ。
ごめん!!」
と言って
わたしの前で、ぱん、と手を合わせた。