【完】君しか見えない
『楓、好き。付き合って』
『んー? 違う子想っててもいいなら、いーよ。
俺ん中の一番は不動なんだよね』
『うん、いい。
1番になれなくてもいいから、付き合ってよ』
『じゃ、付き合おっか』
でも、いくら遊んでも、十羽のことは忘れられなかった。
こんな俺を見たら、十羽はどう思うだろうか。
会わない間に、幼なじみはこんなにも最低な男に成り下がったよ、十羽。
もう一度会いたくて、でももう二度と会いたくなくて。
本当の気持ちは、あの頃からこれっぽっちも変わってねーのに。
そんなある日だった。
十羽が、俺の目の前に再び現れたのは。