【完】君しか見えない
そうやって、隣にいた過去を肯定してくれた。
幸せ者だったと、言ってくれた。
十羽と過ごして、ガチガチに固めていた心が解されていき、そしてやっと気づいた。
ずっと守り方を間違ってたって。
気持ちを隠していたばっかりに、守るつもりが結局はまた十羽を傷つけていた。
守り方が、どうしようもないほどに下手くそだった。
小学生かよってツッコミ入れたくなるくらいには。
バカだよね、俺。
でもやっぱり、幸せだと言ってくれたおまえを、一番近くで見ていたい。
だからさ、すっげー遠回りばっかしちゃったけど、
今度こそ正面から、俺に守らせて。