【完】君しか見えない


半分呆れながら、俺はゆっくりと体を離した。



「十羽」



俺の声に従うように、十羽がこっちを振り返る。



そして感情豊かな瞳が、おずおずと俺を見上げた。



その上目遣いは、やばい。



あーもう、可愛いな、ばか。



こんなんだから、気持ち抑えるのもしんどいんだっつーの。

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