【完】君しか見えない
私は笑顔のまま楓くんを見上げた。
「行ってきたらいいんじゃないかな、合コン。
せっかく誘われたんだし」
一瞬、楓くんが目をすがめた。
「それ、本気で言ってんの?」
「だって、楓くんみたいなイケメンがいたら絶対盛り上がるもん。
うん、わかるわかる!」
楓くんの需要についてひとりで語っていた、その時。
……ちゅっ。
突然、下から覗きこむような体制で、楓くんが唇を重ねてきた。
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