【完】君しか見えない
L 好きだから
十羽と付き合い始め、1週間が経った頃。
「かーえでっ」
登校し、教室への廊下を歩いていると、不意にどこからか名前を呼ばれた。
声がした方を振り向くと、同じ学年の女子が立っていて。
「お、久しぶり。リリナちゃん」
学年の姫と一部の男子から呼ばれている彼女とは、俺も何度か遊んだことがあった。
リリナちゃんは完璧な笑みでニコッと笑うと、いかにも女子って足取りでこちらへ駆けてきて、あっという間に距離を詰める。
そして俺より頭2個分くらい小さい彼女は、上目遣いで俺を見上げてきた。
「ねぇねぇ楓、来週の月曜暇?」