【完】君しか見えない
……でもまぁ、こうなったのも自業自得か。
あんなに遊びまくってたし。
女を取っ替え引っ替えしてた奴が、急に彼女を作って本気だと言ったところで、信じてもらえないのは仕方ねぇよな。
過去の自分を恨めしく思いながら、俺は渋々了承した。
「……わかった。相談してみるから」
「絶対だよっ!」
念を押すようにさらに強く腕に抱きつかれ、俺は愛想笑いを浮かべながらも、心の中で大きくため息をついた。