【完】君しか見えない

L「また明日」







……あー、最悪。



バカすぎるにも程があんだろ、俺。



うん、やっちゃったよね、あれは。



何度目かわからないため息をつきながら、ファミレスのソファーの背もたれによりかかり、宙を仰いだ。



──昨日、十羽と喧嘩した。



物心つく前からの付き合いの中で、初めての喧嘩。



まぁ、俺が一方的に感情拗らせただけなんだけど。



あの後帰宅した途端正気を取り戻し、それ以来自己嫌悪に苛まれてる。



余裕が、ない。



俺は何事に対しても、一本引いたところから冷めた目で客観視してるような、そんなやつだった。



それが、十羽を前にすると途端に余裕がなくなる。



で、結局あのザマ。


……ガキかよ。

< 269 / 360 >

この作品をシェア

pagetop