【完】君しか見えない
L「また明日」
……あー、最悪。
バカすぎるにも程があんだろ、俺。
うん、やっちゃったよね、あれは。
何度目かわからないため息をつきながら、ファミレスのソファーの背もたれによりかかり、宙を仰いだ。
──昨日、十羽と喧嘩した。
物心つく前からの付き合いの中で、初めての喧嘩。
まぁ、俺が一方的に感情拗らせただけなんだけど。
あの後帰宅した途端正気を取り戻し、それ以来自己嫌悪に苛まれてる。
余裕が、ない。
俺は何事に対しても、一本引いたところから冷めた目で客観視してるような、そんなやつだった。
それが、十羽を前にすると途端に余裕がなくなる。
で、結局あのザマ。
……ガキかよ。