【完】君しか見えない


「今日も来てたの?」



開口一番、皮肉が飛んで来る。



可愛い見た目に反して、相変わらず辛辣だなー。



「よ、千隼くん」



俺が振り返って目が合うなり、不愉快さに満ち満ちた視線が向けられる。



「ちょっとは休めば?
毎朝始発で来て終電で帰ってんでしょ?」



「まぁな」



初めて病院を訪れて5日。


俺は毎日病院に通っていた。



始発に乗って終電で帰らないと、病院にいる時間が確保できない。

< 321 / 360 >

この作品をシェア

pagetop