【完】君しか見えない


「俺、丈夫だし。
お子ちゃまに心配かけるようなことにはなんねーから心配すんな、ちーくん?」



面白くて、わざと千隼くんが気にしてる子供っぽさのことをぶっこむと、顔を真っ赤にして千隼くんが声を張り上げた。



「楓、3年の間に意地悪になった……!
僕、帰る!」



「は? もう帰んの?」



「僕は楓とは違って忙しいんだ!
夜は母さんと父さん来るから!」



心配してくれてたのは図星だったらしく、わかりやすく動揺しながら病室を出て行く。

< 323 / 360 >

この作品をシェア

pagetop