【完】君しか見えない
「なんとなく、ぼーっとしてるようなことが多い気がするからさ。
俺にはわかる!なにかあったろ」
「最近って言ったら、十羽が帰ってきたけど」
俺の言葉に、明るい茶髪を揺らして驚きのリアクションを見せる黒瀬。
「えっ、あの幼なじみの十羽ちゃんが!?」
「下の名前で呼ぶな」
牽制すると、黒瀬はぶーぶーと口を尖らせる。
「いーじゃねぇかよー。
俺だって中1ん時は同じクラスだったんだから」
黒瀬の言うとおり、中1の時は十羽と黒瀬と俺は同じクラスだった。
中2になって、俺と黒瀬は十羽とクラスが離れたけど。