【完】君しか見えない
「委員会で学校行くから、あそこで待ってれば?
あのバス停で」
「ほんとっ?」
十羽がばっと顔を上げ、俺を見上げた。
まるで奇跡が起きたかのように、瞳の奥をキラキラさせて。
「ほんと。何時頃ならいられんの?」
「薄暗くなってきてからの方がいいから、5時くらい、かな」
「じゃあ、5時くらいに合わせて帰るわ」
「うん……!」
……なに言っちゃってんだろ、俺。
だけど、十羽の嬉しそうな顔を見たら、撤回することができなくて。