【完】君しか見えない
L 思えば思うほど
「あ。明日は俺バスケの練習試合あって、ここ来られねぇから」
「えっ!?」
大園十羽。
バス停で待ち合わせの約束をした翌日、早速会えない宣言されてしまいました。
バス停からの帰り道に、会話に付け足すくらいのさらりとした言い方で。
「バスケの練習試合って、楓くん部活入ってたの?」
実は、そこに一番驚いてたりする。
だって、楓くん中学の頃から帰宅部だったから、高校もてっきり帰宅部だと思ってた。
すると楓くんはミルクティー色の前髪をいじりながら、その緩慢な動きとは相反して即答した。
「や、安定の帰宅部」