【完】もう一度、キミのとなりで。
「あーっ、こっち見てくれないかなぁ。
目が合わないかなぁ」
なんて言ってる加奈子ちゃんは恋する乙女って感じで本当に可愛くて、微笑ましいなと思ってしまう。
そんな加奈子ちゃんのためにも、結城先輩がこっち向かないかなぁなんて心の中で同じように願っていた。
するとその時、
「あっ!あれ、1組の碧空(そら)くんだ!」
加奈子ちゃんが、ある人物の名前を呟いたのを聞いて。
私は思わず心臓がドクンと飛び跳ねた。
「結城先輩となんか話してる~。
あの二人けっこう仲いいんだよね。
同じサッカー部だし」
そう言われておそるおそる結城先輩の隣に目をやると、確かにそこには彼がいる。
1年1組の、柊木(ひいらぎ)碧空くん。