【完】もう一度、キミのとなりで。
一方、加奈子ちゃんはじゃんけんで見事ウエイトレス役を勝ち取ったみたい。
結城先輩がお客で来てくれるかもって今から楽しみにしてるんだとか。
相変わらず恋する乙女な彼女は可愛いなって思う。
「あー、結城先輩のクラスは何やるのかなぁ~」
「そうだね。気になるね」
「ねぇ蛍、学祭の日一緒に先輩のクラス行ってくれる?」
「うん、もちろんだよ」
「やったー!ありがとうっ!」
二人で喋りながら装飾に使う画用紙をドーナツ型に切り抜いていく。
その作業は地味だけどとても楽しい。
だけど、こういう時も結局私は加奈子ちゃんとずっと一緒で、なかなかクラスの他の子とは絡めない。
なにせ、自分から話しかけるのが苦手だからなぁ。