【完】もう一度、キミのとなりで。
加奈子ちゃんは大興奮の様子だったけれど、確かにその衣装はフリフリで女の子らしくてすごく可愛かった。
加奈子ちゃんスタイルいいから似合そうだなぁ。
「ちょっと蛍、私これ試着してくるね!」
「うん、いってらっしゃい」
そしてそのまま彼女は衣装に着替えに行ってしまったので、私は一人残ってその場で作業の続きをすることにした。
それにしても今の、可愛かったな。
なんだかああいうのを見ると、もうすぐ文化祭なんだって実感がわいてくる。
教室の中がいつになく騒がしくて、みんなのワクワクした空気が伝わってきて。
その中に普通に溶け込めている自分が不思議でたまらない。
役割は地味で目立ないかもしれないけど、そこに混ざれているだけで、楽しいなって、幸せだなって思う。