【完】もう一度、キミのとなりで。
「そ、碧空くん、どうしたの?」
私が尋ねると、ハハッとイタズラっぽく笑う彼。
「いや、べつになんとなく。
教室覗いたら蛍が見えたから、呼んでみた」
「えっ!」
だけど、特に用事があったわけではないみたい。
用もないのにわざわざ話しかけてくれるなんて。
「学祭準備進んでる?」
「う、うん」
「3組は何やるんだっけ?」
「えっと、焼きドーナツだよ」
「うわ、美味そうだな。絶対行く!」
碧空くんとはもう、こうして毎日のように学校で話してる。
私はいまだにそれが不思議でたまらないのだけれど、やっぱりすごく嬉しくて。
声をかけられるたびにドキドキしてしまう。