【完】もう一度、キミのとなりで。

「碧空くんのクラスは?」


「うちのクラスは縁日やるよ」


「わぁ、縁日なんだ。いいね。楽しそう」


「蛍も来いよ。輪投げとかヨーヨー釣りとかやるから」


「う、うんっ。行くね」


私が笑って答えると、彼もふっと優しく笑う。


「絶対なっ。待ってるから」


そして、次の瞬間さりげなくポンと頭の上に彼の大きな手のひらが乗せられて。思わず顔がじわっと熱くなった。


「あ……うんっ」


……あぁ、ダメだな。やっぱりこういうのにいちいち反応してしまう。


碧空くんにとってはきっと、なんでもないことのはずなのに。


どうしてこんなに意識してばかりなんだろう。


「……おわっ!」


だけどその時急に、碧空くんが驚いたような大声をあげて。


何かと思い顔を上げたら、彼の後ろに見覚えのある人物の姿が。


……あっ、美希ちゃん。


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