【完】もう一度、キミのとなりで。
心臓がドキンと跳ねる。
「ちょっと~碧空!何サボってんの!」
そう言いながら碧空くんの首元に腕を巻き付けて、後ろからつかまえる彼女の顔は少し怒ってる。
私はそれを見て、なんとなくまずいものを見られたような気持ちになった。
「誰かと思ったら美希かー。ビックリした」
「もうっ、急にいなくなったと思ったら~」
「悪い悪い。別にサボってるわけじゃないって」
「こういうのをサボってるって言うの!」
まるで母親のように彼を叱る美希ちゃん。
困った顔で笑う碧空くん。
「早く戻って来て手伝ってよ~」
「ハイハイわかったよ」
だけどその様子はじゃれ合っているみたいで、やっぱりすごく仲が良く見える。
「それじゃごめん、またな!」
碧空くんが私に手を振る。
「あ、うんっ。またね」