【完】もう一度、キミのとなりで。
突然誰かに名前を呼ばれて。
振り返るとそこに立っていたのは、先ほど碧空くんと話した時に会ったばかりの、あの美希ちゃんだった。
パーマのかかったつやつやの茶色い髪、透き通るような白い肌、手の爪は伸びてないけど綺麗な色のネイルが塗ってあって、相変わらず美人だし、オーラがすごい。
「あ……はい」
返事をする声が少し震える。敬語になっちゃった。
なんだろう。すごく緊張するな……。
どうして急に話しかけてきたんだろう、なんて思っていたら、彼女は意外なことに、急にニコッと満面の笑みを浮かべた。
「碧空と、仲いいんだね」
「……えっ」
だけど、その笑顔はあまり心から笑っているようには見えない。
というか私、美希ちゃんに碧空くんと仲がいいなんて思われてたんだ。
さっきも一緒に話してたからかな。