【完】もう一度、キミのとなりで。
8.そんなの俺が耐えられない
そして迎えた文化祭当日。
前夜祭を終え、一般公開の今日は、他校生や一般のお客さんもたくさん来てくれて、朝から学校中が大賑わいだった。
うちのクラスの焼きドーナツ屋も、学祭の模擬店としては珍しいというのもあって大繁盛の様子。
私と加奈子ちゃんは二人して11時ごろからのシフトだったので、先に各クラスを見て回ることにした。
加奈子ちゃんが真っ先に行こうと言ったのはもちろん、二年生の教室。あの結城先輩がいる2年3組だ。
「結城先輩のクラス、クレープ屋なんだって!
会えるかなぁ。楽しみだなぁ~」
「わぁ、クレープ美味しそう。
会えるといいね」
こんなふうに友達と仲良く文化祭を一緒に回れるなんて、幸せだなぁって思う。
みんなは好きな人や彼氏と回れたら幸せ……なんて言ってるけれど、私はもう加奈子ちゃんが一緒に回ってくれるだけでじゅうぶんだ。
いつになくウキウキして、テンションが上がってしまう。