【完】もう一度、キミのとなりで。

「あぁ、どうしよう。もったいなくて食べれないよ~」


クレープを両手で握りながら加奈子ちゃんがうっとりとした顔でつぶやく。


先ほど2年3組のクレープ屋を二人で尋ねたら、ちょうど結城先輩がいて、ラッキーなことに私たちのクレープを彼が作ってくれた。


しかも、なんと先輩は加奈子ちゃんのことを覚えていたみたいで、声までかけてくれて。


「いつもよく見かける子だ」なんて言って、わざわざトッピングのサービスまでしてくれたんだ。


この前笑いかけてくれたっていうのも、やっぱり気のせいじゃなかったみたい。


加奈子ちゃんのひそかな片思いが思わぬ進展を遂げていて、私までなぜかドキドキしてしまった。


「なんかもう、幸せすぎてバチが当たりそう。

いつも眺めてるだけで幸せだったけど、話せるなんて夢みたいだよ~」


「そうだね。私もびっくりした。

先輩も実は、加奈子ちゃんのことが気になってたのかもしれないよね。

ほんとによかったね」


「うん、嬉しい~!」


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