【完】もう一度、キミのとなりで。
それには女子たちも興味津々の様子で、元から彼は人気がなくはなかったけれど、バスケの授業が始まってから、人気が急上昇したような気がする。
「すごいね!矢吹くん!
普段感じ悪いけど、バスケしてるとめちゃくちゃかっこいいじゃん!」
隣で加奈子ちゃんが興奮気味に話している。
「蛍もそう思うでしょ!?」
「う、うん」
「見直したでしょ!?どう?
矢吹くんのことちょっとはいいなって思った?」
「えぇっ!」
まるで矢吹くんのことを好きになれとでも言うような口ぶりに、戸惑ってしまう私。
加奈子ちゃんは相変わらず矢吹くんのことをものすごく推してくるんだ。どうしてかな。
確かにバスケしている彼はカッコいいと思う。
だけど、男の子として興味があるかって言うと……どうなんだろう。