【完】もう一度、キミのとなりで。
「碧空―っ!孝太(こうた)-っ!」
するとその時、大きな声で碧空くんたちを呼ぶ女の子の声がして。
「おう、美希(みき)!」
“美希ちゃん”という名前のその子は、パーマのかかった茶髪を揺らしながら、タオルを二枚持って彼らのいる場所へと駆け寄ってきた。
すらっと背が高くて、モデルみたい。
顔も美人だし見とれてしまう。
「もうっ、タオル私に持たせっぱなしで行っちゃうんだから~」
「あー、わりぃわりぃ」
「今は部活中じゃないんだからねっ」
そう言いながら碧空くんの肩をバシバシ叩く美希ちゃん。
ずいぶん仲が良さげだけど、それもそのはず。
だって、彼女は碧空くんたちが属するサッカー部のマネージャーだから。
いつもこのメンバーは、男女混合のグループで仲良くつるんでいるのを見かける。