【完】もう一度、キミのとなりで。
そろそろ帰らなくちゃ。いつまでもここにいたらいけないよね。
少し名残惜しいような気もしたけれど、そんな気持ちを振り切って。
「碧空くん、お大事に」
そう言い残してその場から立ち上がろうとした。そんな時――。
「ほた、る……」
かすれた声と共に、右腕がぎゅっと強く握られた。
そのまま引き寄せられて、再びベッドの横にしゃがみ込む私。
「そ、碧空くんっ?」
彼の顔を覗き込むと、うっすらと目が開いている。
手を離したせいで起きちゃったのかな?
「ごめん。起こしちゃったね」
私が慌てて謝ると、碧空くんが辛そうに顔を歪める。
「……行くなよ」
「えっ」
「ずっと、俺のそばにいて……」