【完】もう一度、キミのとなりで。
懇願するような目で見つめられて、胸の奥がぎゅっとしめつけられる。
やっぱり心細いのかな。
ついさっきまでは早く帰らなきゃなんて考えていたけれど、今度はちゃんと彼がぐっすり眠るまでそばにいてあげようと思った。
「う、うん。わかった。大丈夫、行かないよ」
私がハッキリそう伝えると、碧空くんはまた私の手を取って、強く握る。
そして、切なげに瞳を揺らしながらつぶやいた。
「もう俺……蛍と離れたくない」
「え……?」
「本当は、離れたくなんか……なかった」
「……っ!」
その言葉に衝撃を受ける私。
え、今、なんて言った?
彼は私の手を握ったまま、自分の顔の上にもっていき、目元を覆う。
「俺は、ずっと……き、だ……」