【完】もう一度、キミのとなりで。
碧空くんは、本当に飾らない人だった。
付き合う前はこんな人気者と自分が普通に付き合えるのかな、なんてすごく不安だったし、自信がなかったし、彼はモテていたからきっと女の子と付き合うのも慣れているんだと思ってた。
だけど、実際はそんなことはなくて、私と同じように彼も照れたり、緊張したりしていた。
初めて手を繋いだ時だってそう。
放課後一緒に帰っていたら、突然彼が「手、繋いでもいい?」と聞いてきて。
私は内心心臓をバクバク言わせながら、小さい声で「うん」と答えたんだ。
手と手が触れあって、ぎゅっと繋がれた時はどうしようかと思ったけど。
恥ずかしくて、照れくさくて、体中沸騰しそうなくらいにドキドキして。反対に碧空くんは何のためらいもなく繋いできたから、全然平気なんだと思ってた。